遺留分侵害請求とは?

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遺留分侵害請求とは?

2023.5.24コラム

遺言書では、自由に財産の分配割合を決められますが、【遺留分】には気を付ける必要があります。

 

◆遺留分とは、一定の相続人に最低限保障された相続分のことをいいます


遺言書で、遺産の自由な分配を決めたとしても、遺留分に満たない一定の相続人は、他の相続人や相続人以外で財産を受け取った人等に対して、遺留分相当の金銭を請求することができます(遺留分侵害額請求)。
※遺留分侵害請求するか否かは、各人の自由です
 


◆一定の相続人とは、兄弟姉妹以外の法定相続人のことを言います
そのため、兄弟が亡くなった場合に、遺言書があり、自分には一切遺産が相続されなかったとしても、遺留分侵害請求権の行使はできません。

 


◆遺留分の割合
・直系尊属のみが相続人である場合(亡くなった方の両親のみ相続人の場合など):1/3
・上記以外の場合:1/2
 ※例えば、父Aが亡くなり(すでに配偶者死亡)、子B、子Cが法定相続人になっている場合、
子BCはそれぞれ1/4(法定相続分1/2×遺留分1/2)ずつ遺留分侵害請求権を行使できます



◆相続人から遺留分侵害請求権が行使された場合に、負担する順番は?

下記の順で、金銭の支払い義務を負担します

   遺贈と生前贈与とがあるときは、遺贈が先に負担

   遺贈が複数あるとき、または生前贈与が複数ある場合において、かつ、その生前贈与が同時にされたものであるときは、その目的の価額に応じて負担

   生前贈与が複数あるとき(②の場合を除く)は、新しく生前贈与を受けた者から順次、負担する


※なお、生前贈与については、下記のように遺留分侵害請求の対象となる期間が定められています
・相続人に対して行われたものは、相続開始からさかのぼって10年間
・相続人以外に対して行われたものは、相続開始からさかのぼって1年間



遺贈の場合においては、遺言書で遺留分侵害請求が行使された場合の順番や方法を指定することができます。

そのため、遺言書作成時、遺留分を侵害してしまう相続人いる場合は、遺留分侵害請求されたときにどの順で負担をするか記載しておくことが望ましいです



◆いつまで遺留分侵害請求権は使える?

遺留分侵害請求は、亡くなって相続が開始したこと+遺留分を侵害する遺贈(生前贈与)があったことを知ってから1年以内に請求する必要があります。また、相続開始から10年経過した後も請求することができなくなります。


 

◆遺留分侵害請求を回避するために…

遺留分侵害請求された遺贈者等は、心理的・金銭的な負担が大きいです。
遺留分侵害請求されないような生前対策をしておくことが重要です。
例えば…
①遺言書作成の際、付言事項で遺産の分配理由を記載して、遺留分侵害請求しないようにメッセージを残す
②相続人の遺留分を侵害しないよう、最低限(遺留分相当)の財産を相続させるように遺言書を作成する
③遺留分侵害請求された場合に備えて、生命保険金を残す
(生命保険金は、相続財産とは切り離して考えられるため、遺留分を計算する際の遺産には原則含まれません)



遺言書を作成する場合は、遺留分を考慮した内容や対策をしておくことが重要です。

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